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親知らず
親知らずとは?
永久歯は13歳前後で28本生えそろいますが、20歳前後で歯の一番奥に生えてくる歯があります。この歯を『親知らず』『智歯(ちし)』と呼びます。
上下左右に計4本ありますが、生えてくる本数と生え方には個人差があり、
真直ぐ生えるのは珍しく、斜めに生えたり、真横に生えたり、歯肉に覆われて出てこない方とそれぞれです。
現代人は食生活の変化などで顎骨が小さい為に親知らずがきれいに顎の中に納まらず、お口の重要な役割である「咀嚼」と「呼吸」の不具合、また頭痛や肩こりなど色々な不定愁訴の原因になっていると言われています。
親知らずは抜かなくてはいけない?
抜歯をした方がよい場合
・生え方により歯磨きができず、虫歯・歯周病になりやすい
・虫歯が大きく神経の治療ができない場合
・何度も腫れ、痛みを繰り返す場合
・顎骨や頭蓋骨のズレの原因になっている場合
・顎関節症やその他の不定愁訴の原因となっている場合(噛み合せの調整などで対処できない場合)
・前の歯を押して歯並びを悪くしている場合
抜歯をしなくてもよい場合
・真直ぐ生え、上下でしっかりかみ合っている場合
・骨格的に咀嚼や呼吸の妨げになっていない場合
・歯磨きもしっかりできている場合
・ブリッジの支台歯として利用できる場合
・完全に骨の中に埋まっていて今後影響がでないと判断された場合
・歯を失ってしまった場所に親知らずを移植する場合(歯牙移植)
歯科用CT(立体的なレントゲン写真)で診断
・下のあごには下歯槽菅(かしそうかん)という血管と神経が通る太い管が通っています。親知らずの抜歯の際にこの管を触ったり傷つけたりすると、知覚麻痺の症状がでてしまうことがあります。その為、当院では歯科用CTを導入し、必要に応じてCT撮影を行い、精密に親知らずと下歯槽菅の位置関係を診断します。
・上の親知らずは上顎洞(鼻の孔の横にある空洞)に近く、抜歯することによりつながってしまう事があります。(例えば、口から飲んだものが鼻から出てくる状態)必要に応じてCT撮影を行い、精密に親知らずと上顎洞の位置関係を診断します。
上顎洞の底には薄皮のような膜しかない為、抜いた時は大丈夫であっても、咳やくしゃみ等の衝撃で膜が破けてしまう事があります。その為、抜歯後2週間程度は口を閉じずに咳やくしゃみをして頂き、抜歯した穴に圧や刺激を与えないようにして下さい。
親知らずを抜いたら腫れる?
親知らずを抜歯したら必ず腫れる訳ではありません。生えている方向や位置で腫れやすくなることがあります。
歯肉に埋もれている親知らず
歯肉に埋もれており、表面に出てきていない状態や、あごの骨に潜りこんでいる場合は、歯肉を切開し、顎の骨を削る場合があります。その場合は傷口も大きくなる為、腫れも大きくなる傾向にあります。
真直ぐ生えている親知らず
歯肉からでて真直ぐ生えている場合、腫れは小さくすむ場合がおおいです。
しかし、虫歯などで傷んでいる場合は骨を削る必要もある為、腫れが大きくなる場合もあります。

下に生えている親知らず
がっちりと硬い下の親知らずは抜くのに時間がかかります。下の親知らずを抜いた場合は大きく腫れることがあります。
上に生えている親知らず
抜歯後の腫れが比較的に少ないのが、上の親知らずです。しかし、埋もれている場合や歯の位置が奥にある場合は腫れる傾向にあります。
親知らずを抜くときは痛い?
麻酔をしてからの抜歯になる為、痛みに耐えながら抜歯するということはありません。抜歯をして麻酔が切れてくると痛みが出てくるため、痛み止めと化膿止めを処方いたします。
抜歯後の注意事項
麻酔について
・麻酔が切れるまで1~2時間(長い方で3~6時間)くらいかかります。
・麻酔が切れるまでの間、唇や頬の内側を誤ってかまないように注意してください。
出血について
・止血用の綿を約30分強く噛んで下さい。
・その後も続くようであれば、清潔なガーゼを大きめに傷口にあて、2時間ごとに交換し強くかんで様子を見てください。
・翌日までだ液に血が混ざることがありますが、異常ではありませんので心配いりません。
・うがいをすると出血が止まりにくくなり、傷の治りも遅くなる為、うがいはできるだけ控えて下さい。
・指や舌で傷口に触れると出血や細菌に感染する恐れがある為、触らないようにしてください。
お薬について
・化膿止め(抗生物質)のお薬が出ている場合、処方された分は全て飲み切って下さい。
・痛み止め(鎮痛剤)は痛い時にだけお飲みください。続けて飲むときは大人は6時間以上、子供は8時間以上あけて飲んで下さい。
抜歯後の生活について
・抜歯当日は運動や長時間の入浴、アルコールは控えてください。血液の循環が良くなる事で強い痛みが出ることや、出血しやすくなる事があります。
・タバコは血流を低下させ傷の治りを悪化させますので、1週間はすわないようにして下さい。
・歯ブラシは傷口に触らないように注意してください。
・麻酔が切れたらお食事をしても大丈夫です。その際は反対側(歯を抜いていない方)でかむようにし、固い物・辛い物などの刺激物は避けて下さい。特に抜歯当日は傷口への刺激を抑える為、かまないでも消化の良いおかゆ等をとるようにして下さい。
次のような症状がある方は、一度ご相談下さい
親知らずの辺りが痛い
周囲の歯や歯肉を圧迫している可能性や、汚れが溜り歯肉炎、歯周病になっている可能性もあります。
痛みはないが、親知らずが斜めに生えている
歯ブラシでの汚れの除去が難しいため、今後虫歯や歯周病になる可能性があります。
親知らずの手前の歯が虫歯になっている
親知らずも虫歯、又は近い将来虫歯になる可能性が高いです。
親知らず周辺の歯肉が腫れている
親知らずが原因の可能性が高い為、抜歯することで磨きやすくし、炎症の改善に繋げます。
歯科矯正を考えている
歯科矯正を行ってから親知らずが斜めに生えてくる場合、せっかく矯正した歯並びに悪影響を起こす可能性があります。